鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)


鼻アレルギー


【 症状 】

発作性の繰り返すくしゃみ・鼻水・鼻づまり・などでアレルゲンがはっきりしている場合をアレルギー性鼻炎と呼び、アレルゲンがはっきりしない場合を血管運動性鼻炎と呼んでいます。全てを総合して鼻過敏症ということもあります。


【 要因 】
・特異的直接要因の場合、アレルゲンによって引き起こされる鼻粘膜のアレルギー反応です。アレルゲンには呼吸時に吸引してしまうものと、食べ物や薬のように血液を介して侵入してくる血行性のものと二分できます。

一般にアレルギー性鼻炎は、ほとんどが吸引性のものと推測されます。アレルゲンの侵入に伴い、鼻の粘膜の表面に分布する抗体と結合してアレルギー反応を引き起こし、ヒスタミン・ロイコトリエンというような多くの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されます。

・非特異的直接要因の場合は、機械的刺激によっておこる化学物質の蒸気・チリ・ほこり・などの外因性吸入性因子、・気温・天候・湿度などの気象的因子・栄養障害・内分泌異常・感染・疲労・などの身体的因子、そのほか喫煙・職業・飲酒・精神的ストレスなどの緒因子が主として考えられます。また、個人の遺伝的要素や素質などにも影響を受けます。

【 ハウスダストやダニとの関係 】
鼻アレルギーの主なアレルゲンにはハウスダスト、とくにダニがあります。ダニは高温多湿を好み日本では春から夏にかけて繁殖します。その他の時期ではダニの数は減少しますが、ダニの排泄物や死骸は残っている可能性が高く、最近では、一年中暖かく密閉度の高い家なども見られ、ダニの良い住処に一役買っている現状があります。

家の中のダニはジュータン・畳・フローリングの順で多く、そう考えると床をフローリングに変えることでダニの予防になります。また、フローリングに変えることが出来ない場合でも、頻繁に掃除をする事でダニの量を減らすことができるでしょう。


【 アレルギー性鼻炎のテスト 】
アレルギーの検査では、その症状がアレルギー性の反応によって引き起こされているものか、または実際にアレルギー反応を起こしている原因抗原の検査と二種類に分かれます。前者は血液・鼻水の中の好酸球の検査、血清IgEの測定があり、後者には皮膚テスト、誘発テスト、血清特異的IgE抗体の測定があります。

【 アレルギー性鼻炎が増えている現状 】
日本ではアレルギー性鼻炎は増加の一途をたどっています。また、世界的にみても増加傾向になっています。アレルギー性鼻炎が増加している原因は明らかではありませんが、密閉性の高い住居などの生活環境が変化したこと、大気汚染・栄養のかたより・ストレス・そのほか多くの因子がアレルギー性鼻炎の増加に関わっていると考えられます。スギ花粉については、戦後、全国に大量の植樹されたスギが成長し、花粉を大量に飛ばすようになったのが原因と考えられています。

【 花粉症
ダニやホコリなどのハウスダスト・カビ・花粉といった吸引性アレルゲンによって引き起こされ、中でも花粉が原因となって起こるさまざまな症状を「花粉症」と呼んでいます。花粉症の原因となっているものは、ヒノキ・スギ・ヨモギ・ブタクサ・などの花粉で、季節によってアレルゲンは変化してきます。花粉症はアレルギー体質で鼻の粘膜が過敏な人が花粉と接触することで起こります。症状としては、鼻や喉・眼などに現れます。鼻の場合はくしゃみ・鼻水・鼻づまりや突然くしゃみが発作のように出たり、鼻水が止まらなくなり嗅覚が鈍ったりします。目の場合は、目がかゆい・充血・ゴロゴロ・涙がでる・頭痛がしてくるなどの症状があります。発症の経過は生後から数年かけて花粉に対する抗体が作られ、10歳くらいから発症すると考えられています。

また、一度花粉症を発症してしまうと、それ以降は毎年花粉の季節になると発症してしまいます。鼻腔から入った花粉が粘膜に付着すると、花粉は粘膜で水分でふくらみ、やがて破裂します。そして、アレルゲンとなる花粉の胞子が粘膜の中に侵入し、IgE抗体と結合してアレルギー反応を起こすのです。花粉症の場合、花粉が目の粘膜に付着することも多く、花粉を洗い流すために涙の分泌が亢進したり、化学伝達物質によって、結膜が炎症を起こして結膜炎になることもあります。

花粉症を発症する人は必ずしもアレルギー体質の人が発症するわけではなく、食事や環境・ストレス・体調・などのさまざまな要因が関係していると考えられています。また、単に花粉の量や大気汚染だけではなく、先進国の生活環境や食生活などの生活スタイルにも大きな要因があることも考えられると思います。

【 スギ花粉
花粉症の原因となる花粉はほとんどが風に乗って運ばれてきます。スギ花粉は数10Km離れたところまで運ばれると言われています。一般に前年の夏の気温が高く、日照時間が長く、雨量が少なければ、翌年には大量の花粉が飛散するとされています。花粉の飛散時期は、地域などの要因によって異なりますが、一般に暖冬の年は早く飛び始めます。

花粉の飛散時に外出するときはマスクやメガネの着用での予防が必要とされています。その場合は花粉を通さない、息が苦しくない・顔面によくフィットする・隙間からの花粉をカットする・タイプのマスクがよいでしょう。