アロマセラピーによるアトピー・アレルギー療法


アロマセラピーによるアトピー・アレルギー療法


植物の精油を使うアロマセラピーは代替医学の一支流と考えられていて、ハーブを使う治療法の下位分野という位置づけである。精油は植物の各部分から濃縮される物質で、植物に芳香を与えて、捕食動物から守り、受粉のための昆虫をひきつける役割を持ちます。専門家の中には、精油が植物の生命力を運ぶとさえ考える人もいるほど影響力のあるもので、それが精油製品を使う人たちの生命力を高めるわけです。人間の生命力を高めるかどうかは別としても、精油はからだの働きのバランスをとり、いくつかの病気を軽減する手助けをしてくれます。

■アロマセラピーの作用について
アロマセラピーは吸入と吸収の両面での作用があります。精油は大気中にガス状に気化して、それを吸うと、肺と嗅神経を通じて血液中に吸収され、嗅覚に結びつきます。風呂の湯に入れて使うか、マッサージオイルに混ぜて使うかすると、皮膚を通じて血液に吸収され、筋肉や関節・組織・器官に運ばれるようになります。

【 吸入によっての作用 1 】
アロマセラピーは心とからだを一緒に治療します。精油がからだに対する化学的な効果を持ち合わせると同時に、香りは気分に強く作用します。さまざまな香りがさまざまの線に作用し、内分泌系に働きかけて、からだのバランスを整え、安定させます。ほかの感覚器官にはそれほど集中しませんが、嗅覚はもっとも敏感な感覚器官の一つであります。

ある香りが吸入されると、香りの芳香分子は通りがかりに鼻孔の神経を刺激し、神経インパルスに変換されます。すると、このインパルスは脳内にある嗅球に届き、嗅球は大脳辺縁系と結びつく事になります。大脳辺縁系は記憶と感情を支配する脳の部分であり、この香りの情報は、そのあと下垂体を支配する脳の部分の視床下部に移行します。するとこんどは視床下部が、基本的な身体機能のほとんどにとって、もっとも重要なホルモンを放出して反応をおこします。

アロマセラピーでは、一般的に使用される4種類の異なる吸入技術があります。

【 吸入によっての作用 2 】
1、ボールにお湯を注いで2〜3滴の精油を落とし、暖房機か温風機のような熱源のそばにおいておく。
2、湯をはったボールに充血をとる精油を5滴落とし、頭にタオルや布をかけてボールの上に顔を傾け、3〜4分間湯気を吸い込み、目を閉じている。
3、まくらカバーに去痰効果を持つ精油を2〜3滴ふりかける。
4、ティッシュに数滴の精油をしみこませて、封をしなおせるビニール袋に入れて持ち歩き、時々気化成分をかいでみる。

【 吸入によっての作用 3 】
精油の中には強壮効果を持つものもあるので、用途に合わせて使用しなければなりません。同じ精油、例えばラベンダー油がそのときからだの要求に合わせて、鎮静剤として作用したり刺激剤として作用したりします。 精油を使うときに重要なことは、純粋な製品を使用することで、合成香料は精油をそっくりな香りを持つかもしれませんが、治療効果は同じものではありません。

■吸収によっての作用
アロマセラピーによるマッサージ治療をすると、肌にすりこむ心地よく匂う精油は血液中に吸収され、神経系と、免疫系・内分泌系にプラスの効果を発揮します。精油でマッサージをすれば両方の相互作用で、かrだの相乗効果を期待できます。普通の基準で精油を使えば、病気に対するからだの抵抗力が強くなります。それはまた、積極的な精神状態を昂進するので、免疫系を刺激する補助手段となります。

精油は高度に濃縮されていますので、そのまま使用すると炎症を起こすことがあるので、肌にじかにつけることは避けましょう。スイートアーモンド油や、アプリコットの種の精油のような多用される基材精油で、精油を薄めるようにします。

基材精油は自然な媒体であり、治療効果を変質させないで精油を薄める事ができます。それでも、スイートアーモンド油とアプリコットの精油は、肌にそのままつけても問題は起こりません。ラベンダー油は肌荒れを治療し、虫刺されや発疹だけではなく、やけどや切り傷さも使うことができます。チャノキ油も感染症や炎症を起こさないし、「ビンの中の救急箱」として親しまれてきました。それは抗感染薬・抗炎症薬・消毒薬・抗ウィルス薬・抗真菌薬の効果を持っている。

 

■アレルギーに効果がある精油
精油はハーブと同じく、そのまま自然な形で使うのが一番です。精油の活性成分を抽出して単独で使えば、効果はより弱くなります。芳香族の精油は、一般に単一の分子しか含まない治療薬と違い、全体として強化しあう数個の分子をさまざまな比率で含んでいる。しかし、非常に効率よく精油をミックスし、相乗作用のあるブレンドを作ることはできます。以下は、何種かの精油の組み合わせであり、さまざまなタイプのアレルギー治療の補助として期待できます。

■アレルギーのうっ血の治療法
ユーカリ油
ユーカリ油には、充血除去剤と消毒剤というふたつの特質があります。ティッシュに2滴しみこませて気化成分を吸入するか、吸入剤に5〜10滴混ぜて使うかします。お湯をはった洗面器に5滴落として、頭にタオルをかけて洗面器のうえに顔を傾け、気化成分を吸入します。好みで1〜2滴のほかのユーカリノキ属の精油か、ペパーミント油を混ぜてもいい。

ビャクダン油
水をはった小型のボウルに5滴のビャクダン油を落とします。そのボウルを寝室のテーブルに置いて、睡眠中に気化成分を吸入できるようにします。ビャクダン油を子供の手の届くところや、ペットのそばにおかないようにします。

ビャクダン油とマツ油とラベンダー油のブレンド
15滴ずつのビャクダン油とマツ油と、10滴のラベンダー油を配合します。大きめのポットに一杯の水を沸騰させ、電源を切ってから、ティースプーンに一杯のブレンドした精油を加える。頭にタオルをかけ、ポットに前かがみになりながら、湯気を10分間吸入します。それが終わったら、そのまま暖まった部屋に30分間待機しています。てんかんや神経障害がある方は、マツ油を入れないように注意します。

■皮膚アレルギーの治療法

普通の皮膚アレルギー症には、カモミール油・メリッサ油・チャノキ油・ラベンダー油を使ってみるといいでしょう。最初に行い前にパッチテストをして、炎症が起きていないかを確認して、炎症がなければ患部に一日2〜3回、精油を薄く塗りつけます。

■ぜんそくの治療法
ティッシュに下記のような精油を一種を2滴落とすか、2〜3種の精油を一滴ずつ落とし、気化成分を吸入しましょう。

カモミール油・ラベンダー油・ベンゾイン油・メリッサ油・バラ油・オニサルビア油・イトスギ油・ビャクダン油・乳香油・スイートマージョラム油・セイヨウカノコソウ油・ヤナギハッカ油・など

■湿疹の治療法
症状のあった下記の精油を0・5リットルのローズウォーターに1〜2滴落とします。
ローズウォーターはたいていの薬局で売っています。

感染性の発疹 — ラベンダー油・チャノキ油
炎症性の発疹 — カモミール油・セイヨウノコギリソウ油
カサカサの発疹 — メリッサ油・バラ油
ジクジクする発疹 — ミリス油・パチョリ油

上記の精油を布に少量浸し、患部にあてて使う。

■花粉症の治療法
カモミール油とレモン油のブレンド
ティッシュに一滴ずつのカモミール油とレモン油を落とし、気化成分を吸入する。

自分用のブレンドを作るには
バジル油・マージョラム油・ブルーガム油・カユプテ油・オニサルビア油・チョウジ油・ユーカリ油・ヤナギハッカ油・ラベンダー油・レモン油・メリッサ油・ギンバイカ油・ペパーミント油・マツ油・バラ油・ローズマリー油・スペインセージ油・タイム油・

上記のどれかをブレンドし、ティッシュに三滴落とし、気化成分を吸入する。


■免疫力を高めるには

1リットルの基材精油に50滴のチャノキ油を加え、日に一回、手のひらと足の裏にすりこみます。この簡単な方法で免疫力は高まります。

■炎症を起こした鼻の膜組織の治療法
ティースプーンに一杯のワセリンに、2〜3滴のバラ油または、カモミール油・ラベンダー油を混ぜて、日に三度鼻孔に塗ります。自分の好みで2〜3種類の配合を使用してもいいが、総使用量を全部で三滴に抑えるようにします。

■虫刺されや、くらげなどに刺されたときの治療法
ティースプーンに一杯のアルコールかりんご酢を2〜3滴ずつのチャノキ油とラベンダー油を加えます。このブレンドを指に付けて、肌に軽く塗りつけるようにします。