近年のアレルギーに対する症状が増加しているなかで、ひとくちにアレルギーといっても、花粉症からアトピー性皮膚炎・じんましん・気管支ぜんそく・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・薬物アレルギーなどさまざまなものがあげられます。
そして当然ながら病気の原因や症状も違ってきます。たとえば花粉症はスギ花粉が飛び始める春先になると、鼻水が止まらなくなり、いつも鼻をグシュグシュさせている、くしゃみが突然発作のように出て、なかなか止まらない、目がかゆくなったり、涙目や充血して真っ赤な目をしているなど、このような方々が大勢います。
アトピー性皮膚炎も昔からありましたが、今に比べればきわめて小数にすぎませんでした。しかし、ここ20年くらいの間にアトピー性皮膚炎に悩む子供たちが急増しています。顔をはじめとする皮膚が赤黒くなり、その特徴でもある痒みのための患部が湿潤を起こし、ジクジクしてきたりします。
ひどくなるとアトピー性皮膚炎のために毛根がダメになって髪の毛が生えてこなくなったりする場合などもあります。かつては、アトピー性皮膚炎は小さな子供だけにみられた症状でしたが、最近では、成長しても治らなかったりして、中学生・高校生になっても悩まされている人も多数います。思春期の多感な時期にアトピー性皮膚炎に悩まされて、外出をさけたり、人と会うのがいやになったり、不登校につながってしまったりと現在では社会問題にまでなっています。アトピー性皮膚炎の場合、多くの子供は成長と共に自然に治っていきます。
しかし、最近では、成長しても治らず、大人になっても悩む人も大勢います。また、大人になってアトピー性皮膚炎になる人も増えてきています。そのほかにも、原因不明のジンマシンで悩む人も多くなっています。いままでジンマシンなど出たことなど無かった人が突然、ジンマシンが出たという人も少なくありません。イワシ・サバなどの青魚や卵を食べるとジンマシンがでる場合やそばアレルギーなど原因がはっきりわかっている食物アレルギーの人も少なくありません。
そうした特定の食べ物でジンマシンを起こしたことのない人が、ある日突然ジンマシンにかかってしまう例も多くなっています。さらには、化学物質過敏症という人も増えています。最近では、ハウスシック症候群と言われているように、家の中の壁紙や新建材から放出される化学物質によって、頭痛がしたり、気分が悪くなったりと言う人もいます。こうした化学物質過敏症の人も、アレルギーといってもいいでしょう。 |