■生活環境
食べ物の変化のほかにも、生活環境の変化も見逃すことはできません。日本で、大気汚染や水質汚染などの環境問題が注目を集めたのは、昭和40年代に起こったイタイイタイ病や水俣病などの公害が大きく関わっています。昭和30年代から日本は高度成長期に突入し、各地に工場がたくさん建てられるようになりました。
当時は、まだ、環境基準が今日ほど厳密ではなかったために、工場からの煤煙や汚水が垂れ流しの無規制の状態でした。そのため、都市部では自動車の排気ガスや工場からの煤煙でスモッグがかかり、昼でも薄暗く、晴れているのに空が見えなかったり、さらには、工場からの汚水が川を汚染し、魚も住めないような状態でもありました。そうした河川を田んぼの水や生活用水として利用していたところでは、健康を害する人が増え、水銀で汚染された水俣湾でとれた魚を食べて水俣病になってしまったのです。
このような環境汚染は日本だけではなく、世界の先進国は石炭や石油といった化石燃料を大量に消費するようになりました。大量消費・大量生産という社会を作り出す代わりに、おびただしいまでのエネルギーを消費してきた昨今です。その代償として地球の大気中に大量の炭酸ガスが放出され、地球温暖化の問題が起こっています。住環境も大きく変わってきました。現在の住まいは気密性が高まり、空調機器の発達で室温が一定に保つことができるようになりました。その反面、皮膚や気道の抵抗力が衰え、アレルギー疾患にかかりやすくなったといってもいいでしょう。
また、最近の住宅事情は気密性が高まり、一定の室温管理が出来るようになりました。私達人間にとってはとても便利になりましたが、アレルギーの原因となるダニやカビなどが繁殖するのに格好の条件になったとも考えられます。
■ストレス
仕事や学校などでストレスがたまり、肉体的疲労も重なると、内臓も疲れてきます。そして、ストレスは消化器系に大きな影響を及ぼし、消化能力が弱くなってきます。通常では十分に消化される食物がうまく消化されないため、十分に消化されない食物を異物として認識してアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。
なかでも神経質な子供は、親にしかられたり、学校で嫌な事があったりすると、アレルギーの症状を起こすことも少なくありません。神経質な人や心配性や人はストレスを感じやすくアレルギー症状を引き起こす原因になっているといえるでしょう。
そうした心因反応がアレルギーの発症を防ぐには、ストレスに負けないような精神的や強さを身につけたり、ストレスを上手に発散する方法を考える必要があると思います。 |